ナノインプリント、微細加工、ファウンドリ、カスタムモールドのトータルソリューション SCIVAX(サイヴァクス)株式会社
サービス案内 / 光学設計・シミュレーション|NILファウンドリ
光学設計・シミュレーションとは?
既成の電磁界シミュレーションソフトのみでは、多くの場合、お客様のニーズに応えることは出来ません。当社では、従来法と当社が独自に開発した手法とを組み合わせることにより、最適なカスタムシミュレーションサービスをご提案いたします。
※構造等により行程等が変わる場合があります。
LEDの外部量子効率シミュレーションは、FDTD法を用いて、様々な検討がなされてきましたが、計算量が膨大で微細構造の最適化を行うにはいたっておりません。当社ではRCWA法と当社が独自に開発した手法を組み合わせることで、短時間でLEDの外部量子効率シミュレーションを実施することに成功しました。
実際のLED素子を用いた外部量子効率実測結果と当該シミュレーション結果が整合することを確認しております。
※本手法は当社の特許出願技術です。
上記の構造を有するLED素子のシミュレーション結果です。条件を少しずつ変えて複数のシミュレーションを行うことにより、回折効率を求めます。そのデータに後処理を行うことにより取り出し効率と配光分布を算出します。s
シミュレーション結果1の例では、構造物の厚みが1.8μmですが、パターンが同一であれば、構造物の厚みが100μmであっても解析が可能です。
LED光取出し効率RCWAベース
シミュレーション結果2は後処理後の最終的なアウトプットです。
回折方向は原点と最小ポリゴンを結んだ方向で、すべての回折効率を3次元で表示しています。
微細構造の形状をパラメータとして連続シミュレーションを実施微細構造のAFM、TEMデータ等からモデルを作成シミュレーションモデルからマスターモールドを設計・作製することが可能
弊社は名城大学 赤﨑先生/上山先生によるサファイア基板上の微細構造によるLED光取出し効率の改善の研究にシミュレーションと加工技術にて協力しております。
LEDの光取出し効率の改善にサファイア加工基板(PSS)が有効であるが、その形状により効率の改善に差がある。
また、結晶成長との兼ね合いも重要となる為、最適な形状を見極めることが重要となる。
本研究では、光学シミュレーションとナノインプリント技術をあわせて研究を行っている。
LEDの構造はナノサイズの微細部分と数百ミクロンの部分が混在する為、FDTD法を用いたシミュレーションは計算時間やメモリの使用量等が膨大であることから限定的な範囲を簡易的にシミュレーションするしか実現できていない状況です。
弊社ではサファイア基板上の構造が周期構造であることに着目し、RCWA法によるシミュレーションを組み合わせて使用することで全体を三次元でシミュレーションできる手法を確立しました。
本シミュレーションを名城大学・上山先生のモデルにて検証いたしました。
未加工
ナノパターン加工(構造あり)
ナノインプリント技術でサファイア基板の加工が可能です。
モスアイ等の微細構造を反射表面に形成することで、表面反射の低減を行うことができます。
微細構造の形状及び材料の組み合わせによりその性能は大きく変わります。
当社では、それらの条件をパラメータとして連続シミュレーションを実施することが可能です。
※実際のデバイスを用いた測定結果と当該シミュレーション結果が整合することを確認しております。
使用ソフト:DiffractMOD(RCWA法による光学素子解析)
無反射構造の形状をパラメータとして連続シミュレーションを実施
無反射構造のAFM、TEMデータ等からモデルを作成し、シミュレーションモデルからマスターモールドを設計・作製することが可能
DOEレンズを用いることで入射光の方向制御、広がり角制御および集光点の距離や形状を制御することが可能です。
当社ではDOEレンズの設計から試作、量産まで対応いたします。
■屈折率:1.5 ■光源:平面波■波長:0.5μm ■偏光:TE ■焦点距離:2mm
フレネルレンズと比べ格段に薄く設計出来、迷光を抑えることが可能です。
三角構造の周期と形状を最適化することにより、光を効率よく指定の角度に曲げる事が可能です。
■屈折率:1.5 ■光源:ガウシアン■広がり角:20゜ ■波長:0.5μm ■偏光:TE ■配光:トップハット分布
■広がり角:10゜ ■光源-DOE間距離:5μm
回折角と回折効率を考慮した周期の異なる三角構造を配置することにより、配光分布を制御することが可能です。
解析空間を光波長の1/10以下のメッシュに分割し、時間の経過とともに光源からの電磁界を伝播させる手法です。メッシュに分割することによる量子化誤差を除けば、Maxwell方程式を忠実に表現した方法です。
本手法を用いる場合、膨大な計算量になるため、ワークステーションクラスのコンピュータで扱えるサイズは3次元で数μm程度と限られます。
以下は波長0.5μmの平面波が遮光物にあけられた10μmと0.5μmの隙間を通過するときの光の挙動をFDTD法により解析した結果です。 隙間が小さい場合、通過した光は波紋のように広がります。このように微細な構造では、従来の光線追跡法を適用することはできません。光を電磁波として扱うことが必要になるのです。
当社では独自の手法を開発した事により、RCWA法を用いて実寸大での光学シミュレーションを行う事が可能です。
RCWA法で扱える光源は平面波のみで、周期境界条件(同じ構造が無限に繰り返している)であることが前提となります。本手法では構造物を光軸と垂直な面でスライスし、各面の屈折率分布をフーリエ変換したデータを基に計算を行います。同一の屈折率分布が続く場合は、一塊のデータとして扱うことができます。RCWA法の特徴を活かすことにより、FDTD法では対応できない実際のデバイスサイズでのシミュレーションを行うことが出来ます。
主たる出力データ:透過光と反射光の回折効率(回折次数、回折角、回折強度)
※透過光の全回折率+反射光の全回折効率+構造物内部の全吸収量=1が成り立ちます。