ナノインプリント技術は実用化されてからまだ歴史が浅い技術です。
多くの企業が、半導体の量産と同様に考えて導入を進めていますが、標準的なプロセスレシピが整った半導体製造プロセスとは状況が大きく異なります。
ある意味、レシピ通りに進めればよい半導体の量産と異なり、プロセスや材料の1つ1つで最適化が必要です。
例えば、成型用樹脂の選定。
当然、使用する樹脂は、所望の膜厚を均一に形成でき、勿論ナノインプリントが可能で、かつ必要とする特性(光学特性やエッチング特性など)を持つものでなければなりません。しかし、市販されているナノインプリント用樹脂は種類が限られているため、ほとんどの場合カスタマイズが必要になります。
この他にも、インプリント製造に適したマスターモールド形状の最適化、レプリカモールド用樹脂の選定、形状・樹脂に合わせた離型プロセスの最適化など、それぞれの工程で経験則やノウハウが必要です。
また、残膜制御や除去、エッチングプロセス、効率的な検査工程など、量産導入をする上で考慮すべき項目は山ほどあります。