【Press Release】
大日本印刷とSCIVAX ナノインプリント製品を量産する
ファウンドリー事業で資本業務提携
―生産管理を担う合弁会社「ナノインプリントソリューションズ株式会社」を設立―

本ニュースリリースは、大日本印刷、SCIVAXの共同発表です。重複して配信される場合がありますので、

あらかじめご了承下さい。

2023年4月3日

大日本印刷株式会社

SCIVAX株式会社

大日本印刷株式会社（以下：DNP）とSCIVAX株式会社（サイヴァクス）は、ナノインプリント製品の量産を行う製造受託（ファウンドリー）事業に関する資本業務提携を行い、本事業の生産管理を担う合弁会社「ナノインプリントソリューションズ株式会社（Nanoimprint Solutions Co., Ltd.）」を2023年4月3日に設立しました。

DNPがサイヴァクス株式の一部譲渡を受けてサイヴァクスの株主になるとともに、両社は、DNPの量産ノウハウとサイヴァクスの量産製造設備やプロセスノウハウなどの強みを掛け合わせ、国内外のメーカーからのナノインプリント製品の量産ニーズに対応します。

資本業務提携の背景

近年、国内外の企業が超微細な加工・量産技術として、“1ナノメートル＝百万分の1ミリメートル”に対応するナノインプリント技術の適用・検討を進めており、ナノインプリント製品の市場の拡大も見込まれています。その代表的な光学素子加工の例として、3Dセンサーでは近年Time of Flight(ToF)測距技術が飛躍的に進化し、VCSELと呼ばれる微小な半導体レーザー素子から発せられるレーザー光を様々な配光角度や点群に変換するレンズ素子はインプリント技術で量産され始めています。また、VR（仮想現実）・AR（拡張現実）・MR（複合現実）等でリアルとバーチャルの空間を融合して新しい体験価値を生み出すXR（Extended Reality）機器（スマートグラス等）では、特にARデバイスの導光板作成技術のうち最も有力な量産技術としてもインプリント技術が用いられて開発・量産が進められています。また、非光学素子加工の代表例として、創薬・医療診断等に用いられる次世代DNAシーケンサー用バイオデバイス素子でも採用が進んでいます。

このように幅広い分野でのナノインプリント技術の量産採用が加速する中、今後の市場拡大を見据えて、今回、両社は安定的に大量のナノインプリント製品を供給するために業務提携に至りました。

業務提携について

両社は、ナノインプリント関連技術の開発に長年にわたって取り組み、それぞれ独自の強みを培ってきました。本提携においては、DNPの強みである最先端ナノインプリント用原版（マスターモールド）製造技術と量産・品質管理ノウハウ、サイヴァクスの強みである高精度なナノインプリントが可能な量産製造設備と装置設計技術、プロセスノウハウを組み合わせ、さらに両社のバリューチェーンを統合していきます。

これによって、国内外の大手メーカーの量産委託ニーズに迅速に対応できる体制を日本国内で整備するとともに、グローバルなサプライチェーンリスクへの対応にもつなげていきます。

また、両社は、各社が受注した製品をナノソルの生産管理のもと、DNPおよびサイヴァクスの工場で製造します。

今回の業務提携についてサイヴァクスの代表取締役である田中覚は次のように述べています。

「これまで両社は独自にナノインプリントと事業を展開してきましたが、資本業務提携を機に、会社の枠組みを超えて一体となって事業を推進することにより、今までにない大きなシナジー効果が期待できます。スピードが求められる先端デバイス分野において、両者の強みを最大限に引き出し、お客様のニーズに迅速かつ的確に応えることができる新たな体制を築いてまいります。」

新会社概要

社名	ナノインプリントソリューションズ株式会社
所在地	東京都新宿区市谷加賀町1－1－1
資本金	1,000万円
業務内容	ナノインプリント受託事業の量産生産管理
出資比率	DNP50%、SCIVAX50%

今後の展開

両社は、新設したナノソルを通じて、スマートフォンやXR等向けの3Dセンサー、ディスプレイ等のモバイル関連、DNAの塩基配列を高速で読み取る次世代DNAシーケンサー等のバイオデバイス関連など、多様な用途でナノインプリント製品の大量生産ニーズに対応します。両社あわせて、2026年までに、年間約100億円の売上を目指します。