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ApplicationsAR/VR用HMD

シミュレーション事例

ApplicationsAR/VR用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)

はじめに

当社の光学シミュレーション受託では、回折光学素子を含んだ光学系のトータルな評価が可能です。

光学系のトータルな評価において、従来のFDTD法などでは計算量が多く現実的な計算時間では不可能であること、光線追跡法では回折現象を含む場合正確性が保障できないなどの問題がありました。当社では電磁界計算シミュレーションソフトと光線追跡シミュレーションソフトの結果を組み合わせることで、ナノスケールとミリスケールが混在する光学系に対しても、高速かつ正確なシミュレーションをすることができます。回折光学素子の設計やLEDを用いた照明システムの設計に加えて、これらのシミュレーション技術を自在に組み合わせることにより、様々なアプリケーションへの対応が可能です。

今回の事例では近年市場を拡大しつつあるAR/VR用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の解析事例について紹介します。

光学系の概略

主要なAR/VRのHMDの光学系の要求項目として、軽量・小型であることが挙げられます。回折格子と平面導光路を用いたタイプの光学系はハーフミラーや光学プリズムなどを用いた系と比較して軽量化が容易です。

今回の事例では、3つのグレーティングと平面導光路からなる光学系を取り上げます。この光学系では、光は入力グレーティングによって基板に入射し、全反射によって伝播します。さらに回折型の射出瞳拡大器※1 によって拡大され、出力グレーティングによって導光路から取り出され目に出射されます。

今回は解析事例として、ランドルト環を模したパターンを光学系を通して目に結像させることを考えます。

※1 射出瞳拡大器・・・・・・像が見える目の位置範囲を拡大します。
              目とディスプレイの位置合わせを容易にし、快適性を上げる効果があります。

シミュレーション手順詳細

シミュレーションはRCWA法と光線追跡法を用いて行われます。

①回折格子の透過・反射特性をRCWA法※2 に基づき算出します

②次に算出した透過・反射特性を面の特性に組みこみ、光線追跡法を用いて受光面における強度分布を計算します。

この手法では、ナノスケールの回折格子を波動光学で特徴づけ、光学系全体におけるミリスケールの光の伝播を幾何光学で特徴付けることによって、シミュレーションの正確性と高速性を両立しています。

※2 RCWA法・・・・・・厳密結合波解析 周期構造に対して電磁波の回折効率を計算する手法

シミュレーション結果(1)

下の画像は眼球と出力グレーティングの位置を合わせた場合についてシミュレーションを行い、出力グレーティングから出射された光と網膜付近の光の照度分布を示したものです。

出力グレーティングから出射された光が目の網膜付近に集まり、反転したランドルト環が結像していることがわかります。

シミュレーション結果(2)

さらに、目をずらした場合についてシミュレーションを行った結果が下の画像になります。照度分布の変化と網膜の同じ場所に結像していることがわかります。

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